プロジェクト概要

2009 Digital Public Art Exhibition「空気の港」プレスリリースより

デジタルパブリックアートプロジェクトは、独立行政法人科学技術振興機構の支援下で2004年より5年計画で実施されている文化芸術を出口とする先端的技術研究プロジェクトである。

 急速なデジタル技術の進化の結果、いまやコンピュータは室内のみにて使用されるものではなく、モバイル・ユビキタスという技術に象徴されるように屋外をはじめとするあらゆる空間においての利活用が可能である。

 現在、ともすればギャラリーなどの限定的な空間で鑑賞されてきたメディアアートも、よりパブリックな空間へと進出し、デジタルパブリックアートとでも言うべき新しいジャンルの形成が期待できる時期を迎えている。本プロジェクトのモチベーションは、以上述べたような状況の下で、新しい作品作りを通じて技術と芸術の新しい関係づくりを生み出すところにある。これまでの技術開発プロジェクトのほとんどが、まず技術開発が単独で進み、最後に学会的な応用事例を見せることを常識としてきたが、本プロジェクトでは最初から技術研究者と芸術家が一体となって研究を推進させるというスタイルを意識的にとっている。したがって、本プロジェクトではすでにいくつかの場所で展示活動を行っている。比較的大規模なものとして、青山スパイラルにおける「木とデジタル」展(2007年5月)、オーストリア・アルス・エレクトロニカにおける「東京大学キャンパス展」(2008年9月(共催))などをあげることができ、いずれも5000人程度の参加者を得ることができた。ただしこれらは、以前として建築内部のパブリックスペースへの作品展開にとどまっており、プロジェクトの最終成果発表の場としては、より本格的なパブリックスペースでの展示を行う必要があると考えている。

 パブリックアートは、それがおかれた場所との関係性がきわめて重要である。建築が本来そうであるように、その場における歴史などの、空間的文脈がその作品に大きな影響を与えるものである。また、その一方で、優れたパブリックアートはさらに新たな文脈性をその場に与えることになるわけで、パブリックアートと場とは共進化する関係にあるといえる。したがって、本プロジェクトでは、作品発表の場所についてはかなり注意深く選定してきたつもりである。

 今回、日本最大の空港である羽田空港における展示が成功すれば、デジタルパブリックアートというジャンルが単なる実験の段階を超えることを意味し、さらにはデジタルアートがパブリックアートという新しい領域に本格的に進出する足がかりを得ることにもなるであろうと考えている。

平成19年10月
CREST「デジタルパブリックアートを創出する技術」プロジェクト
プロジェクトリーダー 廣瀬通孝

DPAとは?

dpaとは本研究プロジェクトの略称です。 digital public art の頭文字と、 本研究プロジェクトで着目する空間(Dynamic Dimension), 実体性(Physical Presence),自己参加(Active Participation)の頭文字との二つの意味を持っています。

Dynamic Dimention / Physical Presence / Active Participation